こんにちは!
UIデザイナーのYunyです。
- 「なんだか使いにくい」という感覚の正体を知りたい方
- デザインやリサーチの視点を、日々の生活や業務に少しだけ活かしてみたい方
- チーム内で知識や失敗を効果的に共有する仕組みを作りたい方
日常のふとした瞬間に感じる違和感。例えばスマホアプリで、目立つ色のボタンをつい押してしまい「間違えた!」と焦った経験はないでしょうか。
こうした無意識のつまずきは、決してあなたのせいではなくデザインの課題です。この課題を見つけ出し、心地よい体験へと改善するアプローチがUXリサーチです。
この記事では、明日から現場で使える具体的なリサーチ手法と、その知見をチームで共有する仕組みをご紹介します!

1. 直感を裏付ける。現場で使える「3つのUXリサーチ手法」
「リサーチ」と聞くと大掛かりなアンケート調査や大勢を集めたテストを想像するかもしれません。しかし、実はいつもの業務にすぐ取り入れられる手法がたくさんあります。ここでは、明日からすぐに使える3つの方法をご紹介しますね!
- ヒューリスティック評価(専門家レビュー):
個人の曖昧な感覚ではなく、認知心理学の法則やデザインの原則といった基準を用いて、画面の使いやすさを定性的に調査・評価するやり方です。例えば、スマートフォンの「戻る」ボタンが画面下部にあると心地よく感じますよね。これはフィッツの法則(ターゲットまでの距離と大きさで操作時間が決まる)で説明できます。
過去のプロジェクトで、私は画面右上にあって押しづらかった「保存」ボタンを、親指が届きやすい下部に移動させただけで、入力完了率が目に見えて改善した経験があります。「なんとなく良い」を法則で裏付けることで、チーム内でも説得力のあるデザインへと変わります。 - ユーザーインタビュー:
ユーザーの「声」から、行動の背景にある心理を探る方法です。ただし、聞き方には注意が必要です。私自身、過去に「この新機能は便利だと思いますか?」と誘導的な質問をしてしまい、ユーザーに気を遣わせて本音を引き出せなかった失敗がありました。ユーザーに答えを言わせるのではなく、「普段どのように操作していますか?」とフラットな目線で問いかけることが大切です。 - ユーザビリティテスト:
ユーザーの実際の「行動」を観察する手法です。冒頭でお話しした「目立つ色のボタンをつい押してしまう」といった、ユーザー自身も無意識に行っているつまずきは、インタビューの言葉だけでは決して出てきません。
新卒時代、私が自信満々で作った「おしゃれなバナー」を、テスト参加者が完全に風景と同化してスルーしてしまったのを目の当たりにしたことがあります。実際の操作を観察して初めて、本当の課題に気づくことができるのです。

2. 得られた知見を引き出しに眠らせない「失敗の共有」
こうしたリサーチで得た気づきやナレッジは、個人の頭の中にとどめず、チームで共有して初めて実際のデザインに活きてきます。
その際、私たちはついつい成功例を集めたがりますが、実は現場の「失敗」こそが最も価値のあるナレッジになります。失敗パターンをあらかじめ知ることで、他のメンバーが同じミスを未然に防げるからですね。
先ほど触れた「誘導的なインタビューをしてしまった」という私の失敗も、隠さずに「アンチパターン(避けるべき型)」としてドキュメント・チェックリスト化し、チームに共有しました。すると、他のメンバーからも「実は自分も同じことで悩んでいた」「こういう聞き方をしたら失敗した」という声が次々と上がり、チーム内で「失敗を語ってもいいんだ」という安心感が生まれました。
結果として、チーム全体のリサーチの再現性や精度を高める大きなきっかけになったのです。
「どこで間違えたか」というリアルな記録のほうが、後に続く人にとってはるかに印象に残るんですよね。
3. リサーチ結果を「読まれないレポート」にしない工夫
UXリサーチで得たせっかくの知見も、文字ばかりの長文レポートにしてWikiの奥底に保存するだけでは、なかなかデザインの現場に反映されません。リサーチ結果は、デザイナーが実際の作業の中で自然と目に触れる場所に置くことが重要です。
実務に取り入れる際は、例えばこんな工夫が効果的です!
- デザインツール(Figmaなど)に直接書き残す:
別ツールのドキュメントにまとめるのではなく、デザインしている画面のすぐ横に「この配置は前回のテストで迷うユーザーが多かった」と付箋のように直接メモを残します。作業中に必ず目に入るため、リサーチの知見が確実に次のデザインへと活かされます。 - 「ユーザーが迷った瞬間」の短い動画を共有する:
「ボタンが分かりにくかったようです」と文字で報告するよりも、実際のユーザビリティテストで参加者が画面上で5秒間フリーズして迷っている動画をチャットツールにポンと貼るほうが、チームメンバーには圧倒的な説得力を持って伝わります。
リサーチの結果は、きれいにまとめることよりも「いかにデザインの現場で直感的に使える状態にするか」が大切です。生々しいユーザーの反応をデザインの身近に置くことで、チーム全体の視点が自然とユーザー中心に変わっていくはずです。

まとめ:明日からの景色が、ほんの少し変わる視点
UXリサーチを実践し、その知識を共有することは、ただデータを管理するような退屈な作業ではありません。
誰かが感じた小さな不便に気づき、それをどう解決したのか。そのプロセスを書き残すことは、次に同じ課題にぶつかる誰かへの「メモ」を残すような、とても人間らしい行為だと私は思っています。
明日、あなたがいつも使う駅の券売機や、見慣れたスマートフォンのアプリに触れるとき。少しだけ「なぜ、このボタンはここにあるんだろう?」と考えてみてください。
そうした小さな問いを持つことで、デザインに対する視点が変わり、皆さんの毎日が少しだけ面白いものに変わるかもしれません。
終わりに
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
「使いやすいデザイン」の背景には、それを支えるための論理やリサーチの積み重ねがしっかりと存在しています。私自身もまだまだ失敗ばかりですが、日常の違和感を見逃さず、少しずつ学びを深めています。
皆さんの日常の景色が、少しでも新鮮に映るようになれば嬉しいです。これからも、心地よい体験の探求を一緒に楽しんでいきましょう。
それでは、良いデザインライフを!



