こんにちは!UIデザイナーのYunyです。
- WebサイトやアプリのUX/UIデザインで、フォント選定やタイポグラフィに迷っている方
- 「英数字はおしゃれなのに、日本語が入ると野暮ったく崩れる…」という和欧混植のギャップに悩んでいる方
- 実務で安心して使える定番フォントからモダンフォントまで、具体的な組み合わせの引き出しを増やしたい方
Webサイトやアプリの画面をデザインしていて、フォント選びの基準に迷った経験はないでしょうか。
英語の見出しと日本語の本文がどこかちぐはぐに見える現象は、実務の現場でもよく直面します。
英数字のダミーテキストでは洗練されて見えた画面も、日本語を流し込んだ瞬間にバランスが崩れてしまうケースは少なくありません。
フォントは単なる文字の装飾ではなく、プロダクトの「声色」を決定づける情報設計の基礎です。
今回は、自分が現場の実務で日常的に重宝している定番・モダンフォントと失敗しない和欧ペアリングの考え方をまとめて共有します。
- なぜ「和文×欧文ペアリング(和欧混植)」がWeb・UX/UIで重要なのか?
- 実務で信頼して使えるおすすめ和文フォント厳選
- 1. Noto Sans JP
- 2. BIZ UDPゴシック
- 3. 游ゴシック体
- 4. LINE Seed JP
- 5. Zen Kaku Gothic New
- 6. しっぽり明朝
- 組み合わせで真価を発揮するおすすめ欧文フォント厳選
- 1. Inter
- 2. Plus Jakarta Sans
- 3. DM Sans
- 4. Poppins
- 5. Geist
- 6. Cormorant Garamond
- そのまま現場で使える!おすすめ和欧ペアリング実践5選
- 1. 【王道SaaS・プロダクトUI】Noto Sans JP × Inter
- 2. 【洗練スタートアップ・テックWeb】Noto Sans JP × Plus Jakarta Sans
- 3. 【親しみやすさ・BtoCアプリ】LINE Seed JP × Poppins
- 4. 【業務DX・アクセシビリティ重視】BIZ UDPゴシック × Segoe UI(またはRoboto)
- 5. 【上質メディア・ブランドサイト】しっぽり明朝 × Cormorant Garamond
- 失敗しないための「和欧ペアリング」4つの実務ルール
- ルール①:x-height(文字の背丈)と視覚的サイズ比の調整
- ルール②:骨格・ウェイトの調和(幾何学・ヒューマニストの統一)
- ルール③:CSS実装と表示パフォーマンスの配慮
- ルール④:WebフォントとOS標準フォントのライセンス・配信ルールの確認
- 次のステップ:あわせて深掘りしたい知見
- 終わりに
- 参考リンク
なぜ「和文×欧文ペアリング(和欧混植)」がWeb・UX/UIで重要なのか?
Web・UX/UIのフォントペアリングは「骨格・重心・x-height」を揃えるのが基本です。英数字を欧文フォント、日本語を和文フォントに分けることで、数字の誤読を防ぎ、画面全体の情報密度が美しく整います。
日本語のフォントには、基本的にアルファベットや数字(欧文グリフ)もあらかじめ同梱されているのが一般的です。
そのため、欧文フォントを個別に指定しなくても、ブラウザ上でテキストを表示させること自体は問題なく行えます。
しかし、日本語フォントに付属している英数字の多くは、正方形の仮想ボディ(全角枠)に収まるよう作られているケースが少なくありません。
その結果、英単語として並んだ際に文字の間隔(アキ)が間延びして見えたり、単語のまとまりが弱くなったりしてしまいます。
| 比較項目 | 和文フォント(日本語) | 欧文フォント(英数字) |
|---|---|---|
| 配置の基準 | 仮想ボディ(正方形の枠) の中心に配置 | ベースライン(基準線) に乗る構造 |
| 文字の幅 | 全角(固定幅・等幅)が基本 | プロポーショナル(文字ごとの個別幅) |
| 背丈の基準 | 全体の正方形枠で一定 | x-height(小文字xの高さ) で決まる |
| ペアリング時の課題 | 英数字が間延びし、単語のアキが広がりやすい | 日本語と並べた際に小さく見えやすい |
欧文専用に設計されたフォントは、文字ごとのプロポーショナルな字幅やリズミカルなカーニングが徹底して磨かれています。
英数字に適切な欧文フォントを重ねて適用する手法を「和欧ペアリング(和欧混植)」と呼びます。
この工夫を取り入れるだけで、文章全体の引き締まり感や可読性が一段と向上します。
さらに、UX/UIデザインの実務において特に配慮が必要となるのが「数字の視認性と扱いやすさ」です。
管理画面のダッシュボード、料金表、日時の表示、ステータスバッジなど、ユーザーが判断を下す重要情報の多くは数字で構成されています。
「1」と小文字の「l」、大文字の「I」が瞬時に見分けられるかといった誤読防止の視点は、操作ミスを減らすために不可欠です。
数字の視認性に優れた欧文フォントを組み合わせることは、ユーザーの認知負荷を減らすための大切な設計判断と言えます。
実務で信頼して使えるおすすめ和文フォント厳選
WebサイトやアプリのUIで使用する和文フォントには、デバイスを選ばない安定した表示性能と、長文でも目が疲れない高い可読性が求められます。
ここでは、自分が現場のプロジェクトで頼りにしている代表的な和文フォントを用途別に紹介します。
1. Noto Sans JP
GoogleとAdobeが共同開発したオープンソースのゴシック体で、Noto Sans JP(ノトサンズ)は現代のWeb・プロダクトUIにおけるスタンダードと言える存在です。
癖のないニュートラルな骨格を持っており、BtoBのSaaSからコンシューマー向けサービスまで、あらゆるトーン&マナーに自然と馴染んでくれます。
ThinからBlackまで9段階もの豊富なウェイトが揃っているため、情報階層のメリハリを細かく作り込める点が大きな強みです。
実際に自分が担当しているBtoBのダッシュボードUIでも、情報設計のベースを支える主力フォントとして日常的に活用しています。
- おすすめの用途: Webサービス全般、SaaSのダッシュボード、汎用的なコーポレートサイト
- 特徴: 癖のない幾何学的かつ端正な骨格、極めて豊富なウェイト展開
- 公式リンク: Noto Sans JP – Google Fonts
2. BIZ UDPゴシック
モリサワが開発したユニバーサルデザイン(UD)フォントで、BIZ UDPゴシックは視覚的なわかりやすさと誤読の少なさを徹底追求した書体です。
濁点や半濁点が大きくデザインされており、小さな文字サイズや低解像度のディスプレイ環境でも文字がつぶれにくい配慮がなされています。
Windows 10以降に標準搭載されているほか、Google Fontsでも無償公開されているため、Webフォントとしても安心して利用できます。
等幅のUDゴシックと、プロポーショナル調整が効いたUDPゴシックの2種類が存在します。
Web・UIデザインでは、文字の並びが自然な「BIZ UDPゴシック」を選ぶのがおすすめです。
- おすすめの用途: 業務基幹システム、金融・医療・行政ポータル、アクセシビリティ最優先のUI
- 特徴: 濁点・半濁点の高い視認性、小さな文字でも判読しやすいUD設計
- 公式リンク: BIZ UDPGothic – Google Fonts
3. 游ゴシック体
WindowsとmacOSの両方に標準インストールされている游ゴシック体は、伝統的な美しさを持つ本文用ゴシック体です。
線と線の交差部分に自然なアキがあり、長文の読みやすさと落ち着いた知的な空気感を演出するのに重宝します。
ただし、Windows環境では文字の線が細くかすれて見えやすいという表示上の既知の課題が存在します。
Webデザインの実装では、CSSで font-weight: 500 を本文ウェイトに指定する手法が効果的です。
この設定を加えることで、OS間の見え方の差異を自然に吸収できます。
- おすすめの用途: 読み物系のオウンドメディア、文脈重視のサービスサイト、コーポレートサイト
- 特徴: ややふところの締まった端正な表情、長文読書に適した高い可読性
- 公式情報: Windows / macOS 標準搭載フォント
- 利用ルール: OSローカル利用に限定。フォントファイルをWebサーバーにアップロードしてWebフォント配信することはライセンス違反(CSSでのシステムフォント呼び出しのみ利用可能)
4. LINE Seed JP
LINEがコーポレートフォントとして開発し、オープンソースとして無償公開しているLINE Seed JPは、モダンで親しみやすいゴシック体です。
幾何学的なシンプルさを持ちながら、角やストロークの端部にほんのりとした丸みが施されており、親しみやすさと洗練された印象を両立しています。
数字や英字も含めて非常に高いクオリティで設計されているため、単体で利用しても十分な完成度を誇ります。
Figmaのコンポーネントで検証した際も、ボタンやバッジの文字が硬くならず、画面全体の親しみやすさが一気に増したのを実感しました。
- おすすめの用途: モバイルアプリのUI、ライフスタイル系サービス、若年層向けLP
- 特徴: 幾何学的でクリーンな骨格、角の丸みによる心地よい親しみやすさ
- 公式リンク: LINE Seed JP 公式サイト
- 利用ルール: SIL Open Font License(商用利用・改変可能/フォント単体の再販売は禁止)。公式CDNがないため、Webフォント化する際は自社サーバーへのセルフホスティングと容量削減のためのサブセット化(軽量化)が推奨
5. Zen Kaku Gothic New
エイジスがデザインし、Google Fontsから利用できるZen Kaku Gothic New(ゼン・カク・ゴシック)は、クラシックモダンなゴシック体です。
過度な装飾を排したプレーンな造形で、Noto Sans JPよりもわずかに文字の重心が低く、どっしりとした安定感を感じさせます。
「Noto Sans JPだと少し硬すぎるけれど、丸ゴシックだと幼くなりすぎる」という絶妙なトーンを狙いたい場面で活躍します。
モダンなWebサイトの見出しやカードコンポーネントに組み込むと、画面全体に落ち着いたリズムが生まれます。
- おすすめの用途: モダンなオウンドメディア、プロダクト紹介ページ、建築・インテリア系Web
- 特徴: 安定感のある低めの重心、癖がなく素直に読めるモダンな造形
- 公式リンク: Zen Kaku Gothic New – Google Fonts
6. しっぽり明朝
FONTDASUが制作したしっぽり明朝は、伝統的な活字の美しさを現代のWeb向けに復刻・最適化させた明朝体です。
「明朝体は固くて読みにくい」というイメージを覆すほど、手書きのぬくもりや有機的な流麗さを色濃く残しています。
Google Fontsで利用可能なため、Webフォントとしての読み込みもスムーズに行えます。
ブランドのストーリーをじっくり読ませたい導入セクションや、上質なライフスタイルを提案するメディアのアクセント見出しとして非常に重宝します。
- おすすめの用途: ブランドストーリー、エッセイメディア、伝統工芸・高級商材のサービスサイト
- 特徴: 活字特有の柔らかな筆致、情緒的で品格のある佇まい
- 公式リンク: Shippori Mincho – Google Fonts / しっぽり明朝 公式サイト
組み合わせで真価を発揮するおすすめ欧文フォント厳選
和文フォントの個性を引き立てるためには、相性の良い欧文フォントを選ぶ視点が欠かせません。
特にUIデザインにおいては、文字の背丈(x-height)や数字の形状が画面の使いやすさを左右します。

1. Inter
Rasmus Andersson氏を中心に開発されたInterは、現代のデジタルプロダクトUIのために作られたオープンソース書体です。
コンピュータディスプレイ上での極限の可読性を追求して設計されており、小サイズでも文字がつぶれにくい構造を持っています。
大文字に対する小文字の背丈(x-height)が高めに設定されているため、UIコンポーネントのラベルやボタン内で抜群の視認性を発揮します。
テーブルUIで数字の桁揃えが乱れて困った際も、Interの等幅数字(Tabular Numbers)を活用することで解決できた経験があります。
- おすすめの用途: SaaSプロダクト、ダッシュボード、管理画面、モバイルアプリのUI全般
- 特徴: 高いx-height、数字の卓越した判読性、充実したUI向けOpenType機能
- 公式リンク: Inter – Google Fonts
2. Plus Jakarta Sans
Tokotypeが手掛けたPlus Jakarta Sansは、グローバルなスタートアップやSaaSのWebサイトで広く支持されているモダンフォントです。
幾何学的な直線性を受け継ぎながら、現代的なふところの広さと可読性の高さを巧みに兼ね備えています。
英数字が入るだけで画面が一気に洗練された表情を帯びるため、先進的なサービスサイトの見出しや価格プランの数字に最適です。
Google Fontsで手軽に読み込める点も、実務での導入ハードルを下げる大きなメリットと言えます。
- おすすめの用途: テック系スタートアップのWebサイト、SaaSのLP、価格表UI
- 特徴: 幾何学的でシャープな造形、先進的で洗練されたモダニティ
- 公式リンク: Plus Jakarta Sans – Google Fonts
3. DM Sans
Colophon FoundryがデザインしたDM Sansは、画面上での読みやすさに配慮された幾何学的サンセリフです。
Plus Jakarta Sansよりもやや落ち着いた丸みを持っており、幾何学フォント特有の硬さを感じさせない素直な表情が特徴です。
ウェイトごとの線の太さのバランスが均一で、和文フォントと並べたときに視覚的な濃淡のムラができにくい利点があります。
見出しから本文の補足テキストまで幅広く対応できるため、汎用性の高いモダンフォントを探している場面に向いています。
- おすすめの用途: クリーンなWebサービス、コーポレートサイト、教育系プラットフォーム
- 特徴: 幾何学フォントの洗練さと穏やかな可読性の両立、均一なウェイトバランス
- 公式リンク: DM Sans – Google Fonts
4. Poppins
円や直線といった幾何学的な骨格をベースに作られたPoppinsは、親しみやすく明るい印象を与える人気のGoogleフォントです。
「o」や「p」などの文字が正円に近い綺麗な円形を描いており、画面に前向きでポップなリズムを生み出してくれます。
本文全体に使うと文字の専有面積が広くなりすぎる傾向があるため、ボタンのラベル、価格表示、キャッチコピーなどのアクセントとして部分的に使うのがおすすめです。
角丸を基調としたフレンドリーなUIコンポーネントと抜群の相性を見せてくれます。
- おすすめの用途: BtoC向けモバイルアプリ、ライフスタイルEC、コミュニティサイト
- 特徴: 正円ベースの親しみやすい幾何学フォルム、高いアイキャッチ効果
- 公式リンク: Poppins – Google Fonts
5. Geist
Vercelがデザインエンジニア向けに開発したGeistは、極めて緻密でソリッドなモダンサンセリフです。
スイススタイルの機能美を受け継ぎ、不要な装飾を削ぎ落とした幾何学的で規律ある佇まいを持っています。
開発者向けツールやAIプラットフォームなど、ミニマルで硬質なトーンを打ち出したいプロジェクトで確かな存在感を発揮します。
等幅フォント版であるGeist Monoとセットで設計されているため、コードブロックが頻出するUIでもデザインの調和が崩れません。
- おすすめの用途: 開発者向けツール、AIサービス、ダークモードを基調としたテックWeb
- 特徴: スイススタイルの端正な機能美、コードブロック(Mono)とのシームレスな親和性
- 公式リンク: Geist – Vercel
- 利用ルール: SIL Open Font License(商用無料)。Google Fonts未登録のため、npmパッケージ(
geist)導入や自社サーバー配信での利用が基本
6. Cormorant Garamond
伝統的な名作活字GaramondにインスパイアされたCormorant Garamondは、現代のディスプレイ表示に合わせて再解釈されたオープンソースのセリフ書体です。
細いヘアラインと太いストロークのコントラストが非常に繊細で、クラシカルでありながら都会的な静けさを纏っています。
見出しやキーメッセージの英単語に添えるだけで、画面全体の品格をさりげなく引き上げてくれる効果があります。
明朝体と組み合わせることで、贅沢な余白を活かした上質なタイポグラフィ空間を作り出すことができます。
- おすすめの用途: 高級感のあるブランドサイト、カルチャー系メディア、ラグジュアリーEC
- 特徴: 繊細なコントラスト、古典的Garamondの気品を受け継ぐ優美なディテール
- 公式リンク: Cormorant Garamond – Google Fonts
そのまま現場で使える!おすすめ和欧ペアリング実践5選
ここからは、実際の現場でそのまま使えるおすすめのフォント組み合わせ(ペアリング)を5つ紹介します。
目的とするサービスのトーン&マナーや、画面に求められる機能性に合わせて選んでみてください。
1. 【王道SaaS・プロダクトUI】Noto Sans JP × Inter
プロダクトデザインの現場において、迷ったときにまず検討すべき最も堅実な組み合わせです。
癖のないNoto Sans JPが日本語の情報をフラットに伝え、Interの卓越した数字の可読性がダッシュボードや料金テーブルの視認性を底上げします。
両者ともに文字の背丈(x-height)が高めに設計されているため、同一行に日本語と英数字が混ざっても視覚的なガタつきがほとんど生じません。
機能性と使いやすさを最優先にしたいプロジェクトでは、このペアリングを基準として検討するのがおすすめです。
- 和文: Noto Sans JP (Regular / Medium / Bold)
- 欧文: Inter (Regular / Medium / SemiBold)
- CSS例:
font-family: 'Inter', 'Noto Sans JP', sans-serif;
2. 【洗練スタートアップ・テックWeb】Noto Sans JP × Plus Jakarta Sans
先進的なサービスやスタートアップのWebサイトで、洗練された現代的な空気感を演出したい場合におすすめの組み合わせです。
整然としたNoto Sans JPの中に、Plus Jakarta Sansの軽快な英数字が組み合わさります。
その結果、画面全体に先進的で洗練された心地よいリズムが生まれます。
特に「無料ではじめる」「Plan 01」といったボタンやラベルの英数字がシャープに引き締まり、プロダクトのモダンな魅力を強調できます。
過度な主張をせず、清潔感のあるテック感を打ち出すのに最適なバランスと言えます。
- 和文: Noto Sans JP (Regular / Bold)
- 欧文: Plus Jakarta Sans (Medium / Bold)
- CSS例:
font-family: 'Plus Jakarta Sans', 'Noto Sans JP', sans-serif;
3. 【親しみやすさ・BtoCアプリ】LINE Seed JP × Poppins
生活に身近なモバイルアプリや、ユーザーとの距離を縮めたいコミュニティサービスに適した親しみやすい組み合わせです。
角に微小な丸みを持つLINE Seed JPと、幾何学的な円形をベースにしたPoppinsは、どちらも温かみと現代的な軽快さを持っています。
両書体ともに文字の重心がやや高めに設定されているため、並んだときに自然な統一感が生まれます。
硬い印象を与えたくない教育サービスや、日常的に開くライフスタイルアプリのUIで画面全体を明るく演出できます。
- 和文: LINE Seed JP (Regular / Bold)
- 欧文: Poppins (Medium / SemiBold)
- CSS例:
font-family: 'Poppins', 'LINE Seed JP', sans-serif;
4. 【業務DX・アクセシビリティ重視】BIZ UDPゴシック × Segoe UI(またはRoboto)
基幹業務システムや行政・医療系のWebポータルなど、情報の誤読を最小限に抑えたい現場のための堅牢な組み合わせです。
濁点や文字の交差部がつぶれにくいBIZ UDPゴシックに、Windowsシステム標準のSegoe UIやAndroid標準のRobotoを組み合わせます。
あらゆるディスプレイやOS環境で文字の輪郭が明瞭に保たれ、長時間のデータ入力や数値確認でもユーザーの目の疲労を抑えられます。
アクセシビリティ基準の遵守が求められるプロジェクトにおいて、最も頼れるペアリングの一例です。
- 和文: BIZ UDPゴシック (Regular / Bold)
- 欧文: Segoe UI / Roboto (Regular / Bold)
- CSS例:
font-family: 'Segoe UI', Roboto, 'BIZ UDPGothic', sans-serif;
5. 【上質メディア・ブランドサイト】しっぽり明朝 × Cormorant Garamond
物語を読ませるエッセイメディアや、伝統と格式を重んじるブランドサイトに向けた上質な組み合わせです。
伝統的な活字の柔らかな筆致を残すしっぽり明朝に、繊細でクラシカルなCormorant Garamondを重ね合わせます。
贅沢に取った余白の中にこの2つの書体が配置されると、静かで落ち着いた空気が画面全体に広がります。
効率やスピードを競うUIとは一線を画し、読者にじっくりと文章の世界に浸ってもらいたい場面で確かな効果を発揮します。
- 和文: しっぽり明朝 (Regular / Medium)
- 欧文: Cormorant Garamond (Regular / SemiBold)
- CSS例:
font-family: 'Cormorant Garamond', 'Shippori Mincho', serif;
失敗しないための「和欧ペアリング」4つの実務ルール
フォントを組み合わせて画面を組む際、感覚だけで選んでしまうと「文字の大きさがバラバラ」「線の太さが合わない」といった違和感に直面します。
ここでは、破綻を防ぐために自分が実務で意識している4つの基本ルールを紹介します。

ルール①:x-height(文字の背丈)と視覚的サイズ比の調整
和文と欧文を並べたとき、最も起こりやすい失敗が「欧文が小さく見えて貧相になってしまう現象」です。
欧文フォントは、小文字の背丈である「x-height(エックスハイト)」によって視覚的な大きさが大きく左右されます。
x-heightが低い古典的なフォントをそのまま和文と同じサイズで指定すると、欧文部分だけが一段凹んで見えてしまうことがあります。
UIデザインの実務では、Interのように最初からx-heightが高めに作られた書体を選ぶのがおすすめです。
あるいは、CSS側で欧文のサイズ感を意識して微調整する配慮が有効です。
- チェックポイント: 和文の平仮名と欧文の小文字を並べた際、文字の背丈が揃っているか確認する
- 対策: x-heightの高いモダンフォントを選ぶか、視覚的サイズが均一に見えるウェイトを合わせる
ルール②:骨格・ウェイトの調和(幾何学・ヒューマニストの統一)
文字の「骨格(構造)」と「線の抑揚」の系統を揃えることも極めて重要です。
フォントの造形には、円や直線を基準にした幾何学(ジオメトリック)系統と、人の手の筆致を意識した人間味のある(ヒューマニスト)系統が存在します。
この2つの系統を意識して組み合わせることが大切です。
例えば、幾何学的な造形を持つLINE Seed JPには、同じ幾何学系統のPoppinsやPlus Jakarta Sansを合わせます。
骨格のルールが共通しているため、違和感なく綺麗に調和します。
逆に、情緒豊かな明朝体に硬質なジオメトリックサンセリフを合わせるとチグハグになりやすいため、スタイルの系統を揃えて組み合わせる意識が大切です。
- 幾何学系 × 幾何学系: LINE Seed JP × Poppins / Plus Jakarta Sans(現代的・クリーン)
- ニュートラル系 × ニュートラル系: Noto Sans JP × Inter / DM Sans(実用・王道)
- クラシカル系 × クラシカル系: しっぽり明朝 × Cormorant Garamond(情緒・上品)
ルール③:CSS実装と表示パフォーマンスの配慮
Figmaなどのデザインツール上でどれだけ美しく文字を組んでも、実際のブラウザで意図通りにレンダリングされなければ意味がありません。
Web実装の現場では、CSSの指定順序とWebフォントの読み込みパフォーマンスに必ず気を配りましょう。
まず、CSSの font-family プロパティでは、必ず欧文フォントを先頭に記述することが基本原則です。
ブラウザは指定された順にフォントを探すため、英数字には欧文フォントを、日本語には和文フォントを適用させるためには、この記述順を守る必要があります。
/* 正しい指定順序:欧文フォントを先に記述 */
body {
font-family: 'Inter', 'Noto Sans JP', sans-serif;
font-feature-settings: 'palt'; /* プロポーショナルメトリクスを有効化 */
}
/* 数値を扱うコンポーネント用:等幅数字で桁揃え */
.table-cell-number,
.kpi-metric-value {
font-variant-numeric: tabular-nums;
}日本語フォントの読み込み遅延を防ぐため、Google Fontsの動的サブセット化を活用しましょう。
さらに、CSSに font-display: swap を指定して文字の非表示を防ぐ工夫も大切です。
表示速度への配慮もセットで行うことで、デザインの美しさと快適な操作性を両立できます。
ルール④:WebフォントとOS標準フォントのライセンス・配信ルールの確認
フォントをWebサイトに組み込む際は、ライセンス形態と配信方法のルールを必ず確認しましょう。
特に注意が必要なのが、游ゴシック体やSegoe UIなどの「OS標準搭載フォント」です。
これらは端末ローカルでの利用を前提にOSにライセンスされているため、フォントファイルを勝手にサーバーにアップロードしてWebフォントとして一般配信することはライセンス違反になります。
ブラウザ側で呼び出す場合は、必ずCSSの font-family によるローカルフォント指定にとどめましょう。
また、LINE Seed JPやGeistのようにSIL Open Font Licenseで無償公開されているフォントは、自社サーバーにアップロードしてWebフォント配信することが認められています。
ただし、日本語フォントはファイルサイズが数MBと非常に大きいため、第一水準漢字等に絞り込む「サブセット化(軽量化)」を行ってからWOFF2形式で配信するのが表示パフォーマンス上の鉄則です。
次のステップ:あわせて深掘りしたい知見
タイポグラフィの基本を押さえたら、実際の画面設計やUIリサーチのワークフローと組み合わせて実践してみるのがおすすめです。
Figma上での文字組検証やレイヤー整理を効率化したい方は、現場で愛用されている定番プラグインをまとめたこちらの記事もあわせて参考にしてみてください。
国内のトップサービスが採用しているフォント選定を知るには、国内特化のUIギャラリー集をチェックするのが近道です。
実際のプロダクトを観察することで、タイポグラフィの生きた使われ方の理解がさらに深まります。
終わりに
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
フォント選びは単なる見た目の装飾ではなく、サービスが持つ人格を整え、ユーザーに心地よい体験を届けるための大切なデザインプロセスです。
最初から複雑な組み合わせを狙う必要はありません。
まずは「Noto Sans JP × Inter」のような定番のペアリングから試してみてください。
制作を重ねながら、自プロダクトの世界観に寄り添うフォントの調和を探求していきましょう。
これからも、心地よいタイポグラフィとUX/UIデザインを一緒に楽しんでいきましょう。
それでは、良いデザインライフを!





