PASONAの法則とLP設計|訴求構成とCVR改善の実務ガイド【2026】

2026年06月11日

A clean, minimalist illustration of a man operating a smartphone with a surprised expression. A large thought bubble extending from his smartphone contains various icons for information search, ideas, schedules, gifts, task management, such as a magnifying glass, a light bulb, a calendar, a gift box, a funnel, and a heart.

LPを設計するとき、「どの情報をどの順番で見せればいいか」で迷うことはよくありますよね。
見た目のデザインが良くても、情報の並び順や言葉の選び方がズレていると、ユーザーはすぐに離脱します。

そんな構成の迷いを整理するフレームとして、マーケターだけでなくUIデザイナーにも活用できるのが「PASONAの法則」です。
LPの訴求構成・情報優先度・CTAの配置判断まで、デザインの意図を論理的に説明するための根拠として機能します。

この記事はこんな方に向けて書いています
  • LPや申し込みページの設計を担当する、またはこれから挑戦したいUIデザイナーの方
  • 「綺麗なデザイン」から一歩踏み込み、CVRやユーザー行動の視点を取り入れたい方
  • ペルソナ設計やPASONAの法則をUIデザインに実際どう活かすか知りたい方
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1. PASONAの法則とは?LPの情報構成を設計するフレームワーク

クイックアンサーPASONAの法則とは?


LPの訴求構成を6ステップで設計するマーケティングフレームワークです(Problem・Affinity・Solution・Offer・Narrowing down・Action)。読者の課題への共感から行動まで、心理的な順番で情報を配置する構成の型として活用します。

もともとはコピーライティングの型として広まりましたが、LPやUIの情報設計においても有効です。
各ステップが「なぜ読み続けるのか」「なぜ申し込みたくなるのか」という読者の心理プロセスと対応しており、UIデザイナーが画面の優先順位やCTAの配置を判断する根拠として使えます。

旧来のPASONAには読者の不安を意図的に高める「Agitation(煽り)」が含まれていましたが、現在は読者に寄り添う「Affinity(親近感)」へと更新されています。
「あなたの悩みをわかっている」と伝える姿勢が、読了率と信頼感につながります。

2. ペルソナ設計:「誰に向けて作るか」がLP全体のトーンを決める

広い範囲のターゲットと、具体的な一人に絞り込んだペルソナの違いを示す図解

LPを設計するとき、「万人受けするデザイン」を目指すと、結果的に誰にも刺さらない画面になりがちです。
ターゲット(「30代女性」のような属性の集合)ではなく、具体的な一人のペルソナを設定することで、コピーの言葉選びや視覚的な優先順位が整理しやすくなります。

比較ターゲットペルソナ
定義の粒度「20〜40代女性」のような属性の幅「フルタイム勤務で子どもの教育に関心がある30代後半の母親」という一人
LPへの影響コピーやCTAが曖昧になりやすい言葉選びが具体的になり、読者への共感が伝わりやすい

LP設計を担当するとき、ペルソナの解像度が低いままビジュアルを作り始めると、後から「なんか刺さらない」という手戻りが発生しやすいと感じています。
先にペルソナを明確にしておくだけで、どの情報を最初に見せるかの判断が早くなります。

3. PASONA × LP構成のマッピング:6ステップをUIパーツに対応させる

不安を煽るアプローチから、読者に寄り添うAffinityのアプローチへの変化を示す図解

PASONAの各ステップが実際のLPのどのパーツに対応するか、以下の表で整理しました。
設計時やレビュー時にこのマッピングを参照すると、「どのステップが抜けているか」を確認するチェックリストとして使えます。

PASONAのステップ役割LPのUIパーツ例
Problem(問題提起)読者の課題・悩みを言語化するヒーローエリアのキャッチコピー・サブテキスト
Affinity(親近感)「あなたのことがわかる」と伝えるお悩み共感ブロック・ユーザーの声
Solution(解決策)何が解決するかを示す機能説明・特徴セクション
Offer(提案)プラン・料金・特典を提示する料金表・プランカード
Narrowing down(限定)「今が判断のタイミング」と背中を押す期間限定バナー・残り枠数の表示
Action(行動促進)申し込み・登録へ誘導するCTAボタン・フォーム

このマッピングを持っておくと、LP設計のレビュー時にも活用できます。
「Solutionのセクションがないまま料金表が来ている」「Affinityが全くなく機能説明から始まる」といった構成ミスを事前に検出できます。

4. 「悩みに気づかせる商材」vs「比較検討から始まる商材」:PASONAとFABEの使い分け

商材のLPを設計するときに最も注意したいのが、「ユーザーの検討フェーズ」によって最適なフレームワークが根本から異なるという点です。
商材には大きく分けて「そもそも悩みに気づかせる商材」と「すでに比較検討から始まる商材」の2種類が存在します。

比較軸① 悩みに気づかせる商材(潜在層)② 比較検討から始まる商材(顕在層)
ユーザーの状態「なんとなく不便だが解決策を知らない」「まだ課題を言語化できていない」「導入することは決めていて、A社・B社・C社のどれにするか選んでいる」
商材の具体例新しい概念のSaaS、新規事業サービス、キャリアコーチング、未経験向け学習スクール定番の勤怠管理・会計ソフト、法人PC・サーバー、引越し一括見積もり、格安SIM
最適なフレームワークPASONAの法則
課題の言語化(Problem)から共感(Affinity)を経て、解決策(Solution)へ導く
FABE(ファブ)の法則
特徴(Feature)・優位性(Advantage)・利益(Benefit)・証拠(Evidence)で差を示す
LPのUI構成アプローチヒーローで「こんな悩みありませんか?」と問いかけ、お悩み共感ブロックを挟むファーストビュー直下に「他社比較表」「機能マトリクス」「導入実績数字」を即座に配置する
PASONAの適合度◎ 最も効果的
(課題に気づかせ、読む動機を作れる)
△ そのまま使うと離脱要因に
(「課題は分かってるから早く他社との違いと料金を見せてくれ」と思われる)

例えば同じSaaSや業務ツールであっても、まだ世の中に定着していない新しい切り口のサービスなら、PASONAを使って「日々のこの作業に時間がかかっていませんか?」と課題を自覚させるアプローチが強く刺さります。

一方で、すでに「勤怠管理システムを導入する」と決めて探しているユーザーに対して、長々とお悩み共感ブロックを読ませると、「前置きが長くて知りたい情報が見つからない」と離脱されてしまいます。
比較検討から入るユーザーには、営業やスペック訴求の定番である「FABEの法則」を使い、以下の4要素をファーストビュー直下にテンポよく展開する構成が適しています。

  • Feature(特徴): どんな主要機能・仕様を備えているか
  • Advantage(優位性): 競合他社と比べてどこが優れているか(他社比較表・チェックリスト)
  • Benefit(顧客利益): 導入することで工数やコストが何%削減できるか
  • Evidence(証拠・裏付け): 導入実績社数、継続率、セキュリティ認証、受賞歴

LPのワイヤーフレームを引く前に、「このLPのターゲットは、課題に気づいている潜在層(PASONA)か?それとも他社と比べている顕在層(FABE)か?」をクライアントやチームと確認することが、構成設計の第一歩になります。

5. 視線誘導と3秒ルール:ファーストビューで離脱を防ぐ

Webページにおける人間の自然な視線の動き(Z型パターンとF型パターン)を示す図解

LPに訪れた読者が「このページを読むかどうか」を判断するのは、最初の3秒以内と言われています。
GA4でLPのスクロール深度を確認すると、多くのケースで70〜80%のユーザーがファーストビューを超えずに離脱している数値をよく目にします。

この3秒の壁を突破するため、デザイナーは人間の視線の動き方を意識したレイアウトを組みます。
代表的なパターンとして、以下の2つがあります。

  • Z型パターン: 画面を横に広く見るときの動き。お問い合わせボタンが右上に配置されることが多いのは、視線の自然な終着点に合わせているためです。
  • F型パターン: 文章を縦に流し読みするときの動き。左端の見出し付近を拾い読みする習性があるため、重要情報は左寄せ・上部に配置します。

ヒーローエリアのコピーが弱いと、スクロール先のデザインがどれだけ良くても読んでもらえません。
PASONAのProblemをファーストビューに置き、3秒で「これは自分の話だ」と感じさせる構成が基本です。

6. A/BテストとLPO:CVRは継続的な改善で上がる

LPO(Landing Page Optimization)とは、LPの構成やデザインを改善して、購入や申し込みといった成果(CVR)を高める取り組みです。
一度作ったLPが最初から最適解になることはなく、小さな変更を継続的に検証し続けることでCVRが改善されます。

最も手軽な手法がA/Bテストで、CTAボタンのテキストや色を1箇所だけ変えて、どちらの反応が良いかを計測します。
小規模なサイトでは、統計的に意味のあるデータが集まるまで4〜8週間が目安です。

変更箇所A案(変更前)B案(変更後)
CTAボタンのテキスト「送信する」「無料で試してみる」
ヒーローのサブコピー機能の説明文課題への共感文(PASONAのProblem)
Narrowing downの表示なし「残り〇名」カウンター表示

CTAボタンのテキストを変えるだけでクリック率が変わるケースは、現場でよく見ます。
「送信する」はシステム側の動作を表す言葉で、ユーザー視点のメリットが伝わりません。「無料で試してみる」のように行動後のメリットを示す言葉に変えると、心理的なハードルが下がります。

まとめ:PASONAを知るとLP設計の優先順位が整理しやすくなる

PASONAの6ステップは、ただのコピーライティング術ではなく、LPの情報構成をデザイナーが論理的に判断するための根拠として機能します。

  • 検討フェーズの使い分け: 悩みを気づかせる潜在層なら「PASONA」、比較検討から入る顕在層なら「FABE」を選ぶ
  • PASONA×LP対応: 各セクションが担う役割を整理できる
  • 視線誘導: ファーストビューで3秒以内に「自分の話だ」と感じさせる
  • A/Bテスト: 仮説を立てて小さく改善し続ける

クライアントへのLP設計提案でも、PASONAのどのステップが抜けているかを指摘できると、「なぜこの要素が必要か」の説明が明確になります。
設計の意図を構造で説明できると、デザインのフィードバックも収束しやすくなります。

次のステップ:あわせて深掘りしたい知見

LP設計の具体的な手順はワイヤーフレームの作り方と組み合わせると実践しやすくなります。
また、PASONAはユーザーの認知心理を活用する設計なので、UIに効く心理学の法則を一緒に押さえておくと設計の解像度が上がります。

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