【専門用語なし】UXデザインとは?家族への「説明」から紐解く、日常の身近な具体例

2026年06月11日

こんにちは!
UIデザイナーのYunyです。

この記事はこんな方に向けて書いています
  • デザインに興味があるけれど、専門用語が多くて難しそうと感じている方
  • 「UX(ユーザー体験)」という言葉の意味を、身近な人にわかりやすく説明したいデザイナーの方

先日、実家に帰省したときのこと。親からふと「今の仕事、具体的に何やってるの?」と聞かれました。

「ユーザー体験を良くするデザインで……」と答えたものの、IT用語に馴染みのない親はピンときていない様子。
どうすればこの見えにくい仕事を上手く伝えられるだろうかと言葉に詰まってしまうのって、デザイナーあるあるですよね。

そこで私は、スマートフォンの画面の話をやめて、「家族でよく行く身近な場所」を例に説明してみることにしました。

今回は、私が家族に「UXってこういうことだよ」と伝えたときの切り口をご紹介します。
身近な人にデザインの仕事を説明する際のヒントになれば嬉しいです!

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1. UXデザインの身近な例①:迷わずコーヒーを受け取れるカフェの「動線」

「あのさ、よく行く駅前のカフェあるでしょ。あのお店って、初めてでも迷わず注文から受け取りまでいけたよね?」

私はまず、家族にとって身近なカフェの風景から話を始めました。
初めて入るお店でも、私たちは自然とレジに向かい、注文を済ませてコーヒーを受け取り、空いている席を見つけることができます。


実は私自身、デザインの勉強を始める前は「なんでこのカフェは人が多いのにスムーズに買えるんだろう?」と不思議に思っていただけでした。
でも、いざ自分がレイアウトを考える立場になって初めて、「あ、あの店の配置ってすごく計算されてたんだ」と気づいたんです。

この流れがスムーズにいくのには、ちゃんと理由があります。
お店の入り口からレジ、受け取りカウンター、席までの配置が、人が自然に歩きやすいように設計されているからです。

  • 入り口からレジまでの距離:メニューを見ながら少し迷う時間を持たせつつ、他のお客さんの邪魔にならない空間が確保されています。
  • 受け取りカウンターの広さ:複数人が待っていても圧迫感がないように、少しゆとりを持たせた設計になっています。
  • ミルクや砂糖の配置場所:レジ周辺の混雑を避けるため、あえて少し離れた場所に設置されることが多いですね。
画像URLをここに入力" alt="カフェの入口から注文、受け取り、着席までのスムーズな動線を俯瞰で解説する図解

人の流れを滞らせない工夫
お客さんが「お店に入る → 注文する → 受け取る → 席に着く」という行動を、一度も逆走せずに流れるように行えること。
「人がストレスなく動ける道筋をつくること」も、立派なデザインなんだよ、と伝えると、親も「なるほど、あの配置には意味があったのか」と納得してくれました。

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2. UXデザインの身近な例②:文字を読まなくても目的地に着ける駅の「色と形」

「じゃあ、新宿駅の案内板はどう? いつも『迷路みたい』って文句言ってるけど、結局ちゃんと乗り換えできてるじゃん」

次に例に出したのは、いくつもの路線が入り組むターミナル駅です。
「大学入学したての頃、新宿駅で完全に迷子になって半泣きになったことあるんだよね(笑)」なんて話もしつつ。
でも、あんなに複雑な場所でも私たちが最終的に目的地にたどり着けるのは、案内板にちょっとした工夫が凝らされているからです。

その工夫とは、「色」と「形」の使い分けです。
人は、文字を読むよりも色や形をパッと見る方が、一瞬で状況を理解しやすいようにできています。
(これは認知心理学などでもよく言われていることですね。)

  • 路線のシンボルカラー:山手線は「緑」、丸ノ内線は「赤」といったように、色を見るだけで直感的にどの路線かを判断できます。
  • 矢印の大きさと配置:遠くからでもパッと見て進む方向がわかるように、文字よりも矢印が大きく配置されています。
駅の案内板において、文字よりも色(路線カラー)と形(大きな矢印)が直感的に認識される仕組みの図解

駅の案内板は、「読ませる」のではなく「直感的にわからせる」ように作られています。
立ち止まってじっくり読まなくても、歩きながら視界に入るだけで「あっちだな」と理解できる。
あんな身近な看板の設計も、実はUXデザインの考え方の一つなのです。

3. アフォーダンスの例:なぜ「引く」ドアを押してしまうのか?

「あと、お店で『引く』って書いてあるドア、思いきり『押して』ぶつかりそうになることない?(笑)」

そして最後の例は、誰もが一度は経験したことのある「ドアの罠」についてです。
恥ずかしい話ですが、私はデザイナーになった今でも、考え事をしていると『引く』ドアをバンッ!と押してしまうことがあります。
でもこれ、ただ単にそそっかしいからではなく、ドアの取っ手の形に原因があるケースが多いのです。

私たちは、物の形を見ただけで「これはこうやって使うんだな」と無意識に判断しています。これをデザインの分野ではアフォーダンス(行動の引き出し)と呼びます。

  • 平らな鉄板:手のひらを当てて「押す」ものだと直感します。
  • 握りやすいバー(棒):手で掴んで「引く」ものだと直感します。
平らな鉄板は「押す」、バー状の取っ手は「引く」という無意識の行動(アフォーダンス)を比較する図解

もし、「引く」ドアに平らな鉄板がついていたらどうなるでしょう。
文字でどれだけ大きく「引いてください」と書いてあっても、体は無意識に押そうとしてしまいます。頭で理解する前に、体が形に反応してしまうのですね。

「つまりさ、本当に使いやすいドアって『押す・引く』の注意書きすら必要ないんだよ。取っ手の形を見ただけで自然に正しく使える。そういう状態を作るのが、私の仕事なんだよね」

まとめ:UXデザインを分かりやすく説明するには?

ここまで話すと、親は少し感心したように言いました。
「なるほどね。デザインって見た目をおしゃれにするだけじゃなくて、使う人への『思いやり』なんだね」

親の言う通り、
「どうすれば迷わず歩けるか」
「どうすれば間違えずに使えるか」
「どうすれば心地よい時間を過ごせるか」

デザインとは、使う人のことを想像して形にする「思いやり」のようなものです。
「UXデザイン」という言葉を知らない人に説明するときは、こうした身近な具体例に置き換えてみると、きっとスムーズに伝わると思います。

明日、駅を歩くときやカフェに入るとき、ぜひご家族と一緒に「なんでここはこういう形なんだろう?」と観察してみてください。

そのちょっとした視点の変化が、いつもの何気ない風景を、もっと面白く優しいものに変えてくれるはずです。

終わりに

最後までお読みいただき、ありがとうございます!

専門用語や画面の中の枠組みを一度取り払ってみると、私たちの身の回りは、誰かの優しいデザインで溢れていることに気がつきます。デザインの仕事を説明するときはもちろん、日々のインプットの視点としても、この「日常の観察」を楽しんでみてくださいね。

これからも、身の回りにある「ちょっとした使いやすい工夫」をぜひ探してみてくださいね。
それでは、良いデザインライフを!

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